eajs’s diary

主に文化、芸術、外国語の学習、読書に関する内容などの配信をしています。

2026-01-01から1年間の記事一覧

なぜ私たちは「違和感」を殺してしまうのか

「どこかおかしい」という感触は、唐突に訪れる。毎日の通勤電車、通い慣れたオフィス、あるいは見慣れたSNSのタイムライン。昨日までと同じ景色の中に、ふと説明のつかないズレを感じる瞬間がある。この「日常の違和感」は、私たちが社会や他者、あるいは自…

小説にしていること

Xでは、AIの違和感や人間関係のすれ違い、日常の小さな「おかしい」を短く書いています。 同じテーマの延長で、小説も書いています。感情や関係性のひっかかりを、物語の形にしたものです。 現在公開中の作品は、こちらにまとめています。https://blog.haten…

『お金の大学』『バビロン一番の富豪』『ファスト&スロー』で読み解く、失敗しない資産形成術

お金にまつわる悩みは、人間関係やキャリアの悩みと並んで人生の大きなウエイトを占めています。特に30代から40代を迎えると、家計のやりくりや老後資金、あるいは仕事での重大な意思決定など、現実的な課題が一気に押し寄せてくるものです。 そんな「お金と…

達川春子さんのKindle経験談2冊(尿路結石/帰化までの半生)

達川春子さんの経験談が2冊あります。どちらも「専門書」ではなく、当事者が書いた個人の記録です。 ■ 尿路結石の経験談 「死ぬほど痛かった」https://amzn.to/4if0pNX 実際に複数回経験した人の、痛みと経過の記録です。治療法の本ではなく、「どんな感じだ…

新城影介の小説4冊について

日々書いている「違和感」や「すれ違い」の感覚を、小説にもしています。新城影介名義で出している4冊です。 1. ラスト・シェード 星の見えない夜を数えて静かな喪失と、夜の長さをテーマにしています。https://amzn.to/4iPRiDx 2. 星の見えない夜は、母のハ…

静かな喪失と、境界線について――新城影介の小説4冊

日々書いている「違和感」や「すれ違い」の感覚を、小説にもしています。新城影介名義で出している4冊です。 1. ラスト・シェード 星の見えない夜を数えて静かな喪失と、夜の長さをテーマにしています。https://amzn.to/4iPRiDx 2. 星の見えない夜は、母のハ…

夏レシピ

今週のお題「夏レシピ」 連日の猛暑によって全身にまとわりつく湿気と眩しい太陽の日差しが身体の体力を少しずつ奪い去っていくこの季節は、食卓に向かう気力さえも減退しがちになり、さらには暑さで熱気がこもるキッチンに立って火を使う調理作業自体が億劫…

『若きウェルテルの悩み』J. W. von ゲーテ (著)

本書は、18世紀ドイツの文豪ゲーテが弱冠25歳のときに著した書簡体小説であり、青年ウェルテルが婚約者のいる女性シャルロッテに恋い焦がれ、報われぬ想いの果てに自ら命を絶つまでの心の軌跡を、友人への手紙という形式で描き出した作品である。刊行当時、…

『危ない世界一周旅行』宮部 高明 (著)

本書は、著者が世界一周旅行の過程で、さまざまな災難にあった体験が書かれている。平和な日本での日常を飛び出し、地球を巡る旅に出た著者を待ち受けていたのは、想像を絶する過酷でスリリングなトラブルの数々であった。 具体的には、ペルーでは首絞め強盗…

『孫子』金谷 治 (著)

本書は、中国古代の兵法家・孫武によって著された兵法書を、中国哲学研究の権威である金谷治氏が訳注を手掛けたものである。紀元前5世紀頃の春秋時代に成立したとされ、2500年以上の時を超えて現代なお世界中で読み継がれる兵法古典である。 全13篇からなる…

『ブンとフン』井上 ひさし (著)

本書は、井上ひさし氏のデビュー作であり、彼の卓越した言語感覚と豊かなユーモアが炸裂する。売れない小説家ブンが書いた作品から、大泥棒のフンが現実世界に飛び出してしまうという斬新な設定のもと、奇想天外な騒動が次々と巻き起こる。 私自身にとっても…

『女の一生 』モーパッサン (著)

本書は、ギ・ド・モーパッサンによる長編小説であり、フランスのリアリズム文学の名作である。修道院を出たばかりの純粋な少女が人生の現実に直面し、苦悩と孤独のなかで生きていく姿を描いた不朽の文学作品である。 主人公の貴族の娘ジャンヌは、憧れを抱い…

『君主論』マキアヴェッリ (著)

本書は、ニッコロ・マキアヴェッリの代表作であり、政治思想史における金字塔として知られる古典である。16世紀のルネサンス期イタリアという、分裂と動乱の渦中に書かれた本作は、現代においても組織論やリーダーシップ論の原点として読み継がれる普遍的な…

『読書について』A. ショウペンハウエル (著)

本書は、19世紀ドイツの哲学者ショーペンハウエルが、読書という一見疑いようのない善行に対して、真正面から異を唱えた短編集である。表題作「読書について」に加え、「思索」「著作と文体」という二篇が収められ、いずれも読み書きという知的行為そのもの…

『月夜のグルメ 1 』舞城 王太郎 (著)

本書は、週刊誌「週刊SPA!」で連載されたグルメ漫画『月夜のグルメ』から、「おでん」と「忘年会」の二編を収めた分冊版である。主人公の朔良(さくら)は、亡き父が残した一冊の手帖を携え、月明かりの下、深夜の街へ食の冒険に出かける。手帖に記され…

『熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録』井川 意高 (著)

本書は、大王製紙の前会長である井川意高氏が自らの破滅と転落の経緯を赤裸々に綴った手記である。巨大製紙会社の創業家に生まれ、絵に描いたようなエリート街道を歩んできた著者が、なぜ巨額の会社資金をギャンブルに注ぎ込むに至ったのか、その衝撃的な内…

『燃える秋 (角川文庫)』五木 寛之 (著)

激動の時代や人生の転機を生きる人間の孤独と情熱を描いた作品であり、時を経ても色あせない普遍的な魅力に満ちあふれている。 私自身が本書に出会ったのは約10年前である。それから生活する周りの状況が変わり、住む家も何回か変わってきた。そのたびに多く…

『失踪日記2 アル中病棟』吾妻ひでお (著)

本書は、吾妻ひでお氏の『失踪日記』の続編である。前作の破天荒な失踪生活を経て、前作『失踪日記』の最後にアル中病棟に入院した氏が、その後の病院での生活を描いている。依存症専門病院という特殊な空間を舞台に、著者の優れた観察眼とユーモアが惜しみ…

『失踪日記』吾妻ひでお (著)

本書は、漫画家の吾妻ひでお氏が自らの失踪体験を描いたコミックエッセイ。一見すると壮絶なドキュメンタリーになりかねないテーマでありながら、著者の卓越した描写力と自己相対化の視点によって、ユーモア溢れる名作に仕上がっている。 著者はギャグ漫画家…

『山口組マネー (宝島SUGOI文庫)』須田 慎一郎 (著)

本書は、経済ジャーナリストとして長年、企業や金融を取材し続けてきた須田慎一郎氏が、日本最大の指定暴力団・山口組の資金構造に焦点を当てたルポルタージュである。日本最大の広域暴力団の経済活動とフロント活動を掘り起こしている。普段、一般社会では…

『冬物語(1)』原秀則 (著)

本書は、1987年に「少年ビッグコミック」で連載が始まり、その後継誌「ヤングサンデー」へと引き継がれた原秀則の代表作『冬物語』の第一巻である。昭和の終わりから平成のはじめごろに世に出たコミックである。主人公は大学受験に失敗した予備校生。滑り止…

『魁!!男塾 第1巻』宮下あきら (著)

本書は、1985年から「週刊少年ジャンプ」で連載が始まった宮下あきらの代表作の記念すべき第一巻である。全国から集められた行き場のない不良少年たちを、江田島平八塾長が過激なスパルタ教育で鍛え上げる全寮制の学校・男塾を舞台に、一号生筆頭の剣桃太郎…

『激烈バカ(1)』斉藤富士夫 (著)

本書は、1988年から「週刊少年マガジン」で連載が始まった、伝説的な不条理ギャグ漫画『激烈バカ』の記念すべき第一巻である。イラストが非常にシュールな4コマ漫画である。濃く描き込まれた劇画調のデッサンを崩したようなキャラクターたちが、汗や涙、鼻…

『スーパードクターK(1)』真船一雄 (著)

本書は、1988年に「週刊少年マガジン」で連載が始まった医療漫画『スーパードクターK』シリーズの記念すべき第一巻である。裏の世界を流れ歩く天才外科医が、行く先々で遭遇する事件や事故、そして命の危機に瀕した患者たちを、超人的な医術によって次々と救…

『ドラえもん 1』藤子・F・ 不二雄 (著)

本書は、藤子・F・不二雄が生み出した国民的漫画『ドラえもん』の記念すべき第一巻であり、22世紀からやってきた猫型ロボットと、勉強もスポーツも苦手な小学生・のび太との出会いから始まる物語である。押し入れから現れたドラえもんが、四次元ポケットから…

『ゴルゴ13 1』さいとう・たかを (著)

本書は、1968年に小学館「ビッグコミック」誌上で連載が始まった、日本を代表する劇画『ゴルゴ13』の記念すべき第一巻である。主人公は多額の報酬を受け取りながら、世界を股に活躍する殺し屋である。国家、企業、秘密組織など、表沙汰にできない依頼を抱え…

『かりあげクン 1』植田まさし (著)

本書は、1980年に「漫画アクション」で連載が始まった植田まさし氏の四コマ漫画シリーズ、その記念すべき第一巻である。主人公・かりあげ正太は、昭和・平成・令和と三つの時代をまたいで会社勤めを続ける平凡なサラリーマンであり、上司や同僚、家族を相手…

映画『教皇選挙』(2025年)

本作は、教皇選挙(コンクラーベ)を扱った興味深い映画である。宗教的な正当性の裏で、個人だけでなく、各国の政治が蠢く。そこには陰謀、差別、スキャンダルといった、宗教とは対極にあるかのような内容が画面で展開される。エドワード・ベルガー監督の手…

映画『グーニーズ』(1985年)

本作は、1980年代のアドベンチャー映画を代表するものであり、時代を超えて世界中の観客を熱狂させている。スティーヴン・スピルバーグが原案と製作総指揮を手掛け、リチャード・ドナー監督がメガホンをとった本作は、少年たちが繰り広げる大冒険を通じて、…

映画『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン 』(2002年)

本作は、スティーヴン・スピルバーグ監督が実在の天才詐欺師の半生を描き出した、クライム・エンターテインメント映画である。映画の舞台は1960年代のアメリカ。両親が離婚した主人公は、小切手詐欺に手を染める。そしてパイロットを装いながら全米各地で豪…